過敏性腸症候群(IBS)とは?
お腹が痛くなったりどうもお通じの調子が悪いというのは良く聞かれるお悩みです。お腹の痛みとともに下痢や便秘が数か月続くようなら、それは過敏性腸症候群かもしれません。過敏性腸症候群はIBSともいい、腸がストレスなどにより過敏になって起こる便通異常の状態を指します。
辛い症状が長引く場合は、やはり病院で検査を受けておくと安心できます。過敏性腸症候群の場合、一般的な検査では異常が認められないことが前提です。炎症や潰瘍といった異常がないにも関わらず辛い症状が続くのが過敏性腸症候群の特徴です。男女比でいうと女性に多いといわれ、年齢を重ねると減る傾向にあります。生死に関わる病気ということではないものの、下痢があまりにひどくなれば外出できなくなってしまうなど日常生活に支障をきたすことが珍しくありません。
過敏性腸症候群になる原因は?
現在のところ、残念ながら過敏性腸症候群になる原因ははっきりしていないようです。しかし、強いストレスが長引くなどすると、腸が正常に働かなくなってしまうと考えられています。腸の働きは脳と連動しているのですが、過敏性腸症候群の患者さんは腸と脳の連絡がスムーズにいかなくなっています。あまりに強いストレスを受けると、脳はとても強い信号を腸に送り、消化管運動が正常の範囲を超えてしまうのです。また、何かしらの食物が信号を強くすることもあります。他にも、腸がわずかでも炎症を起こすと、粘膜が弱り過敏な状態になって腹痛を起こすことも考えられます。
大腸や小腸は、食べたものを消化吸収する他、要らなくなったものを肛門から排せつさせるという重要な役割があります。いらなくなったものは便になるわけですが、大腸はぜん動運動によって便を肛門まで移動させなければなりません。ぜん動運動は腸の収縮によって行われ、腸の変化を察知する知覚機能を利用しています。ぜん動運動も知覚機能も脳と腸がスムーズに連絡を取りあえることによってコントロールされているので、ストレスを受けるとそこがうまくいかなくなってしまうのです。例えば、ぜん動運動が激しくなり過ぎれば便の水分が吸収仕切らない内に排せつされてしまうというわけです。
過敏性腸症候群を防ぐには?
過敏性腸症候群は、日ごろの心がけである程度は防ぐことができます。前述しているようにストレスによるものが大きいので、溜め過ぎないようにするとともに上手に発散させることが大切です。ストレスの原因をはっきりさせ、自分なりのストレスとの付き合い方を模索していくことがポイントとなるでしょう。また、胃腸に負担をかけないよう、暴飲暴食は控えることです。睡眠をしっかり取るなど、基本的な生活習慣の見直しもするようにしましょう。しかし、気にしすぎるとそれがストレスになることはよくあるので、自分の性格をよく把握して対策をとることです。うつの傾向にある方なら、これを機会に心療内科を受診してみるのも一つの方法です。