ガスがうまく出ない時は

おならが出るのは辛いけど

おならがたくさん出過ぎると人前で困ることになりますが、ガスがお腹に溜まるというのもまた辛いものです。お腹に異常なほどガスが溜まった状態は鼓腸(こちょう)といい、お腹がパンパンに張って本当に苦しくなってしまいます。鼓腸というのは、ガスが溜まったお腹を叩くと鼓のようなポンポンという音がすることに由来します。

 

どうしてガスが溜まるのか

生きているとお腹にガスが溜まるのは当たり前のことです。食べたり飲んだりした時に口からは空気が入るからですが、健康な状態であればゲップでうまく出すことができます。しかし、飲み込む空気の量が多すぎたりゲップがうまく出せない場合、胃や腸にどんどん空気が溜まっていって鼓腸になってしまうのです。

それから、小腸の中で細菌が異常繁殖するとガスが溜まってしまうことがあります。細菌がもっとも多くいるのは大腸で、その数は100兆個にも及ぶといわれています。小腸にはそれほどまでの数はいないのですが、健康を害するなどすれば小腸にも細菌がたくさん繁殖するようになってガスが溜まってしまうのです。特に腸の動きが鈍くなると、ガスは肛門から排出されることなくどんどん溜まっていってしまうことになります。

 

病院ではどうやって治療するの?

お腹がパンパンになってあまりにも辛い場合には、病院で検査を受けてみるのも一つの方法です。レントゲンやCTを取るとガスがどれだけ溜まっているかがわかりますし、MRIを取れば腸の働きの良し悪しを知ることができます。また、腸液を検査すれば腸内細菌がどのくらい増えているかということもわかります。

検査を受けて原因が突きとめられれば、回復への近道となるでしょう。排便コントロールが必要であったり腸の働きが悪いという場合は、マグネシウム製剤やメトクロプラミドなどのお薬が処方されることがあります。また、小腸に細菌が増殖しているという場合には抗生物質などが処方されます。

それと同時に、日常生活を送る上でもさまざまな注意点があります。例えば、おならは副交感神経が活発なリラックスした状態で出やすくなるので、睡眠中に無意識のうちに出しているというのが一般的です。そのため、睡眠時間をしっかりと確保することが重要になってきます。また、ガスが溜まると人前で出てしまうのではないかとストレスになることがありますが、ストレスは上手に発散させることが必要です。それから、食事内容も大切で、腸内で吸収されにくい発酵性の糖質を避けるのが望ましいとされています。摂取しても良い食品は低FODMAP食(低フォドマップ食)と呼ばれていて、お米や牛・豚・鶏肉、野菜であればレタスやブロッコリーなどがこれに当たります。また、フルーツならパイナップルやイチゴなどが推奨されています。さらに、食物繊維の摂取は便秘解消には効果的ですが、摂り過ぎるとガスが発生しやすくなるので過度にならないように気を付けましょう。