注目を集めている「腸活」とは?
最近、テレビや雑誌などで「腸活」という言葉がよく取り上げられています。便秘気味あるいは下痢気味といったお通じの不調を抱えている方だけでなく、美容に興味がある方も、腸活に注目しているのではないでしょうか。腸活とは漢字の通り、腸の働きを良くするための活動のことをいいます。腸の働きを良くするには、まずは腸内環境を整えることが大切です。それは、一体なぜなのでしょうか。
私たちの腸には、実にさまざまな細菌が存在していることをご存知でしょうか。その様子を顕微鏡でのぞいてみると、細菌同士が集まってコロニーを作っている様子がまるでお花畑のようです。そのため、このように集まった細菌のコロニーのことを「腸内フローラ」と呼んでいるのです。
「細菌」と聞くと悪者扱いしたくなる気持ちは分かります。しかし、腸内にいる細菌には病原菌が好む環境を作り出す悪玉菌の他に、腸を元気にする善玉菌や健康な時は善玉菌の味方をする日和見菌の3種類がいます。腸活では、悪玉菌の数を減らして善玉菌を増やすことによって腸の働きを活発にし、日和見菌を善玉菌の味方に付けることを目指します。
腸はどのような器官?
腸は「第二の脳」と呼ばれているのをご存知でしょうか。これこそがまさに、腸活を推進する理由となります。
まず、腸は食べ物の消化・吸収を行うだけでなく、免疫力を司る器官でもあります。つまり、腸内環境が整っていれば健康に過ごせますが、腸内環境が悪化するとさまざまな病気に罹患しやすくなるのです。
次に、腸は脳と情報をやり取りして精神面を支えています。つまり、腸内環境が整っていれば健康でいられるだけでなく気持ちまで穏やかになります。反対に、腸内環境が悪化すると気持ちに浮き沈みがあったり、やる気が出なくなることがあるのです。
腸活のためにできることとは?
腸活をすれば、腸が本来持っている免疫力や安定した精神面を保つ力を引き出すことができます。腸内環境の改善に向けて食事・睡眠・運動の3つの面から見直しましょう。
食事では、腸のために発酵食品や食物繊維を積極的に摂りましょう。腸活の一環として、発酵食品であるヨーグルトを食べている方は多いと思います。ヨーグルトを食べ続けていると飽きてしまいますが、他にも納豆、キムチなどさまざまな発酵食品があるので、できるだけ毎日取り入れましょう。
十分な睡眠を取ることも腸活になります。なぜなら、睡眠不足による自律神経の乱れは、腸内環境の乱れに繋がるからです。寝つきの悪さにお困りの方もいると思いますが、温かいハーブティーを飲んだり心地良い音楽を聞くなどしてリラックスできる環境を作りましょう。
適度な運動は、腸の蠕動運動を活発にします。デスクワークが多い方や運動不足が気になる方は通勤時にエレベーターやエスカレーターではなく階段を利用するなど、積極的に体を動かしましょう。また、普段から正しい姿勢を意識するだけで腹部に適度な圧力がかかり、腸の働きを助けることができます。