副交感神経を優位にして腸を動かそう

腸を動かしているのは自律神経

腸は収縮と弛緩を繰り返す蠕動運動などさまざまな動きをしていますが、自分の意思で動かしているわけではありません。腸の動きを司っているのは自律神経で、副交感神経が優位になるとより活発に動くようになります。しかし、もう一つの自律神経である交感神経との切り替えがうまくいかなくなると、次第に腸の働きが悪くなっていって身体に不調が生じるようになります。つまり、腸が健康的に動いてくれるためには自律神経に働きかけることが有効です。具体的には副交感神経が優位になるようにすれば良く、それにはさまざまな方法が考えられます。

 

副交感神経を優位にしよう

副交感神経が優位になるようにするには、体内時計が適正になるようにするのも効果的です。人は1日24時間というサイクルで生活していますが、体内時計はそれよりも長いことから、どこかで調整することが必要です。そこで、朝起きた時にカーテンを開けて太陽の光を浴びると体内時計がリセットされて調整されます。体内時計のリセットはスムーズな入眠にもつながるので、規則正しい生活を送りやすくなります。その後はコップ1杯の水を飲むと胃腸に刺激となって腸の蠕動運動が促されます。さらに朝食を摂ることも有効なので、食べる習慣がないという方はスープなどでも良いので胃に何かを入れるようにすると良いでしょう。

 

リラックスしてストレッチがオススメ

また、夕食の時間はあまり遅くならないようにし、寝る前にはのんびりと温めのお湯に浸かるというのも副交感神経が優位になってオススメです。そして、スマホやパソコンの強い光を浴びるのは避け、ストレッチなどをするのも良いでしょう。全身を伸ばすだけでも心地よくなって入眠しやすくなりますが、腸のためにはお腹に刺激となるストレッチをするのがオススメです。仰向けに寝て、息を吐きながら、片足の膝をお腹に押し付けるようにするポーズも効果的です。また、同じく仰向けで、両足を揃えて膝を立て左右交互に倒すのも、腸にひねりが加わって刺激になります。

他にも、お腹の上から腸の働きをなぞるようにマッサージするのも効果があります。腸はおへそを中心に時計回りに蠕動運動しているので、"の"の字を書くようにマッサージしていきましょう。この時、腸は非常にゆっくりと動くことから決して急がないことがポイントです。また、食後2時間程度を過ぎてから行うようにします。胃から送られてきたものが大腸の中をゆっくりと動いて肛門に向かっていくことをイメージしてマッサージしましょう。

それから、日中にはウォーキングなど手軽にできるエクササイズを取り入れるのも腸には良い刺激になります。特に有酸素運動をすると、腸の動きを促すだけでなく、有用菌が増えていくこともわかってきています。規則正しい生活を送るとともに、体を動かしたりリラックスさせたりというメリハリの付いた生活が健康な腸を維持することにつながるのです。